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【話の肖像画】デザイナー・皆川明(5) 心から愛せる服を作りたい、100年超えて思いつなぎたい

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【話の肖像画】
デザイナー・皆川明(5) 心から愛せる服を作りたい、100年超えて思いつなぎたい

皆川明さん(伴龍二撮影) 皆川明さん(伴龍二撮影)

 ティーカップ、ティーポットと形状も印象も違うテーブルウエアのそれぞれに、どうデザインしていくか。色味など実に微妙な事柄にも最後の最後まで丹念に仕事を重ねて、完璧の上にも完璧を期する彼らの姿勢に感激しました。歴史の蓄積とは、単純な時間の重なりにはない深いものがありました。

 〈自身のブランドも100年以上続くものでありたいと、新たな段階へと充実を重ねている〉

 私たちのブランド名にある「ミナ」は優れたデザインが日常に溶けこんでいる北欧の暮らしに思いを寄せ、フィンランド語で「私」を意味します。いつまでも変わらない価値がある心から愛せる服を作りたい。そのために私たちの組織は少なくとも100年は続く共同体であるべきで、私は最初の30年くらいを担えればと考えました。

 そういうことで、誰が引き継いでも「私」は「私」ですから、ふさわしい名前だと思います。「ペルホネン」は、やはりフィンランド語で「蝶(ちょう)」。蝶は数え切れないほど種類があり、デザインもまた数え切れないほどにという願いが込められています。

 私たちが目指しているのは、ファッションの本流とは違う方向性にあるようです。メインの国道の脇道に咲いている花を探しているような感じです。観光地の少し外れにある景色も、なかなかいいと伝える役割があるのかと思います。それを駅伝のタスキを渡すように続けていきたいのです。そして「こっちにも何かあるよ。ちょっとちょっと」とこれからも呼びかけ続けます。(聞き手 谷口康雄)=次回はバレエダンサーのミハイル・バリシニコフさん

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