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【話の肖像画】デザイナー・皆川明(4) 気概あふれる職人に信頼 難しい提案でも、できないとは言わない

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【話の肖像画】
デザイナー・皆川明(4) 気概あふれる職人に信頼 難しい提案でも、できないとは言わない

皆川明さん(伴龍二撮影) 皆川明さん(伴龍二撮影)

 平成12年、私は初めての直営店を東京都内に作りました。ブランドを設立した際、漠然と5年くらいでお店を作りたいと思っていたことが、ちょうど5年でかないました。お店はお客さまが実際に触れ、袖を通し、生地の手触りや細かな表現、重さや軽さ、明るさや色の質感など、服がもたらす印象の広がりを感じていただく場です。

 「ミナ ペルホネン」は東京とパリでコレクションを発表していますが、今は展示会でゆっくり生地の風合いなどを見ていただき、モデルが通路を歩くランウエーを使った通常のショーは行いません。服が最も輝くのは、着た人が街に出て日常生活のリアルな時間を過ごしているときだからです。

 私たちが作った服には、出来上がるまでに要した時間と、かかわった人の記憶が刻まれています。お店でもどこでも、着ていただく服の背景や、モノとして存在する服の裏側にいる人の思いを、もっと大切に伝えていきたいと考えています。

 〈詩的な感覚を運ぶ服には、何枚も精密に版を重ねたプリント、さまざまに糸を組み合わせた織り、複雑な針の動きを丹念に繰り返した刺繍(ししゅう)などが施され、厚い信頼関係で結ばれた職人の技術と探求心が結実している〉

 プリントや織り、刺繍など、どんな技法を使ったテキスタイル(生地)になるかは、図案を描いているときにはもう、ほとんどのことが見えています。それを実際の形にするとき、工場や職人の方たちと何度もやり取りをして理想を追い求めます。

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