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志賀理江子個展「ブラインドデート」 「歌」のような写真を探して

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志賀理江子個展「ブラインドデート」 「歌」のような写真を探して

壁に張られた写真とスライド映写機で投影された像が重なり合う 壁に張られた写真とスライド映写機で投影された像が重なり合う

 炎、廃屋、夕暮れ、血、骨、真っ赤に染まった新聞紙、倒れ伏す人々、地面をぬらす液体…。強烈な印象を与えるイメージが明滅して、気がつけば、その断片が脳裏に刻み込まれてしまっている。写真家の志賀理江子が、5年ぶりとなる個展「ブラインドデート」を香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催中。鑑賞者に深い思索をうながす独自の空間表現が見どころだ。(篠原知存)

                   

 ガシャン、ガシャン、ガシャシャン…。会場に入ったとたん、耳に入ってくるのはスライド映写機の作動音。展示室に何台も映写機が並べられていて、それぞれが別の写真を写しだす。大小のイメージが浮かんでは消える。

 「『ブラインド』という言葉としばらく向き合う時間があって、展示に際して『見えない』状態をあらわすにはどうするか、を考えました」と志賀は説明してくれた。

 製造が終了している映写機を集め、改造して光源が点滅するようにした。像が一度消えてから次の像が出るように。明滅するだけでなく、映像の上に映像が重ねられたり、突然大きな影が横切ったりする。「人の記憶の形に近い状態だと思いました。物事を思い出すのって、くっきりはっきり隅々まで見えるわけじゃない。ああいう感じで、脳の中のシグナルがつながったり切れたりしていませんか」

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