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【戦後72年】平成生まれの語り部研修生 戦争体験ない世代が担う「意味」を自問

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【戦後72年】
平成生まれの語り部研修生 戦争体験ない世代が担う「意味」を自問

戦傷病者の苦労を後世に伝える「しょうけい館」の語り部をめざして研修中の都内の大学院生、塚原浩太郎さん(26)。銃弾を受けた戦傷者の煙草ケースに残る弾痕に、来場者は足を止めて見入るという=10日、東京都千代田区(道丸摩耶撮影) 戦傷病者の苦労を後世に伝える「しょうけい館」の語り部をめざして研修中の都内の大学院生、塚原浩太郎さん(26)。銃弾を受けた戦傷者の煙草ケースに残る弾痕に、来場者は足を止めて見入るという=10日、東京都千代田区(道丸摩耶撮影)

 戦後72年がたち先の大戦の記憶が薄くなる中、戦争体験を語る活動が若い世代へと受け継がれている。なぜ語り継がなければならないのか。その答えを探しながら、平成生まれの語り部研修生は伝えることの重みと格闘している。

 「『国のため死ね』と言われて行った戦争で体の一部を失い、生きて帰った戦傷病者は、戦争の本質を表していると思うんです」

 都内の大学院生、塚原浩太郎さん(26)はそう語る。塚原さんは戦争でけがや病気になった戦傷病者の苦労を伝える国の施設「しょうけい館」(東京都千代田区)が昨年から募集する「戦後世代の語り部育成事業」の1期生の一人だ。

 塚原さんは大学院で戦後政治を学ぶかたわら、先生の勧めで、平成27年からしょうけい館の展示説明を手伝ってきた。ちょうど戦後70年の節目で、「戦争体験を聞く最後の機会」とした講演会などのイベントが数多く企画された年だった。

 その一つに参加した塚原さんは、聴衆の年齢層の高さに驚いた。若い人もいたが、シベリア抑留者の孫など戦争と接点がある人ばかり。「国民学校」など若い世代になじみのない言葉も飛び交っていた。「このままだと、戦争体験はごく狭い範囲で縮小再生産されていく」と危機感を持ち、語り部に応募した。

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