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【書評】作家・関川夏央が読む『隣国への足跡』黒田勝弘著 「日本人になりかけた」韓国の切ない事情

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【書評】
作家・関川夏央が読む『隣国への足跡』黒田勝弘著 「日本人になりかけた」韓国の切ない事情

『隣国への足跡』黒田勝弘著 『隣国への足跡』黒田勝弘著

 日本時代の韓国には「反日」の気運は少なかった。ことに戦争中、韓国人は日本の戦果に熱狂した。「日本人になりかけた」そんな経験があったからこそ、「反日」と「民族主義」を梃(てこ)に「韓国人」をつくらなければならず、それが浸透する65年まで日韓基本条約を締結できなかったのである。

 声高に「歴史」をうんぬんするコリアンだが、それは実証的な歴史を意味しない。ただ「かくあるべきだった歴史」に固執してやまぬわけで、日本人との歴史議論が噛(か)み合わないのは当然だ。そういう状況下に生きざるを得ない韓国人を私などは「情けない」と思うが、黒田氏は同情をこめて「切ない」と評する。

 永住しても韓国に「からめとられる」ことなく、冷静さとユーモアを失わない黒田勝弘の存在は、「貴重」の一語に尽きる。(KADOKAWA・1600円+税)

 

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