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【マキャベリ流-是非に及ばず】NOBUNAGA(36)死は苛酷なれど、名声は永遠なり。末長く記憶せられん

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【マキャベリ流-是非に及ばず】
NOBUNAGA(36)死は苛酷なれど、名声は永遠なり。末長く記憶せられん

『太平記英勇伝』の「荒木村重」。口にくわえているのは、「織田信長」が刀に突き刺したまま差し出したまんじゅう(伊丹市立博物館所蔵) 『太平記英勇伝』の「荒木村重」。口にくわえているのは、「織田信長」が刀に突き刺したまま差し出したまんじゅう(伊丹市立博物館所蔵)

 「しかしお前は相変わらず進歩がねえな。もってまわったようなことばかり言っていて、肝心の『なぜ村重は信長を裏切ったか』がちっともわからねえじゃねえか」

 「いや、それはこれから…」と筆者が言い訳する間髪の余裕も与えず、お師匠様はまくしたて始めた。

 「そらあ『謀反の嫌疑をかけられたから先手を打った』説をはじめいろいろな説があるよ。でも、ここで信長って野郎はまったくもってこうるさい上司だってことを思い出してみな。たとえば天正4年に信長が村重にあてた一連の指令書たるや、細かいわ多岐にわたるわ-。辟易(へきえき)する以上に、どこでどうマイナス査定されてクビが飛ぶかわかったもんじゃない。恐怖と嫌気が積み重なって、ということだろうな。それから羽柴(豊臣)秀吉。簡単にいえば、秀吉との出世競争に負けたからだが、おれは秀吉という男は織田家中でも結構なトラブルメーカーだったとふんでるんだ。そうそう、別所長治が、信長に背いたのも秀吉が一枚かんでいるだろう」

 悔しいがその通りである。『別所長治記』によると、「織田軍中国方面司令官」として派遣された秀吉の出自と態度に対する反感から天正6年春、村重に先だって播州三木城主の長治は反旗を翻す。そして兵糧攻めに耐えること約2年。長治は自らと妻子、一族の命と引き換えに城兵を助命することを条件として降伏する。

 《今は只(ただ)うらみもあらず(じ)諸人(もろびと)の 命にかはる我が身とおもへば》

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