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【話の肖像画】小児外科医・吉岡秀人(5)医者を“卒業”する、これが今の僕の目標

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【話の肖像画】
小児外科医・吉岡秀人(5)医者を“卒業”する、これが今の僕の目標

ミャンマーの医療現場で、ジャパンハートの活動に参加した若い医師らと語り合う吉岡秀人氏(右)=2016年9月、ミャンマー・ワッチェ村のワッチェ慈善病院(ジャパンハート提供) ミャンマーの医療現場で、ジャパンハートの活動に参加した若い医師らと語り合う吉岡秀人氏(右)=2016年9月、ミャンマー・ワッチェ村のワッチェ慈善病院(ジャパンハート提供)

 〈ジャパンハートは海外での活動のほか、国内の離島・僻地(へきち)に医療者を派遣する事業も行っている。現在は長崎・対馬や島根・西ノ島など国内6カ所で活動しており、今後は鹿児島・奄美群島でも展開する予定だという〉

 地域医療の現場では、特に看護師が全然足りないんです。何が悪いかというと「マッチング」です。例えば長崎市とか松江市の県庁所在地生まれの人が対馬や隠岐諸島に行くかというと、行かないんです。実際にそういうところへ行くのは東京や大阪の都会育ちの看護師さんなんです。だから、その人たちの受け皿をうまく作ってあげて、うまくマッチングさせて面倒見てあげれば、たくさんの医療者が地域医療の現場に行く可能性があるんです。

 実は海外に支援に行った看護師さんたちって、帰国後は都会に戻らず、地域医療の現場に行く人が多いんですよ。都会の大病院で組織の一部として働くよりも、患者の近くにいて話を聞いてあげたいというんです。そういう意味で、彼らの主戦場は日本なんです。海外は一時期いるところで、帰国後には地域医療を支えてくれている。そういう人たちをインスパイア(鼓舞)して、もっと彼らに可能性を発揮してもらえるようにするのも、僕の役目かなと思っています。

 それと、今考えているのが、引退したシニアの外科医を集めて、若い外科医と一緒に海外の医療支援に行ってもらうプロジェクトです。日本の若い外科医は、海外に比べて手術を行う件数が少ない傾向にあります。シニアの外科医の指導を受けながら、海外の現場で経験を積んでもらえたらと思っています。帰国すれば、その技術や経験は日本の子供たちにも還元されますよね。

 〈平成22年にはミャンマー・ヤンゴンに恵まれない子供たちのための養護施設「Dream Train(ドリームトレイン)」を開設。昨年5月には、明美ちゃん基金の助成も受け、活動拠点の一つであるカンボジアに病院を開院した。

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