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【正論・戦後72年に思う】「経験主義」との決別が国を変える それを乗り越えるのは政治主導だが… 千葉工業大学惑星探査研究センター所長・松井孝典

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【正論・戦後72年に思う】
「経験主義」との決別が国を変える それを乗り越えるのは政治主導だが… 千葉工業大学惑星探査研究センター所長・松井孝典

千葉工業大学惑星探査研究センター所長・松井孝典氏(伴龍二撮影)  千葉工業大学惑星探査研究センター所長・松井孝典氏(伴龍二撮影) 

 その結果、自然や世界についてより良い説明がもたらされ、さらにそれが繰り返され、さらなる発展がもたらされた。無限の発展をもたらす正のフィードバックの始まりだ。

 そのフィードバックは教育を通じてなされる。それらの総体的な結果として現在のような文明が構築された。文明の絶え間ない発展のサイクルを駆動するのは、そうしたより良い説明を求める思考であり、教育なのだ。

≪思考の改革で停滞を乗り越えよ≫

 宇宙の科学に関する分野では、20世紀最後の10年から今世紀にかけて、それ以前の「宇宙観」を大きく変えるような発見が相次いでいる。

 一方、人類のニューフロンティアという意味では、アポロ計画以後、停滞が続いている。国際宇宙ステーションという試みを通じて次なる飛躍を待っているといえなくもないが、これまでのところ、上のような意味での新しい思考が展開されたかは疑問だ。米国主導で議論されている国際有人探査はその契機になるかもしれない。

 老人が経験主義の弊害に陥るのは仕方がない。国もまた老いれば同様だ。官僚の思考もまた経験主義だからだ。単年度の予算査定の仕組みそのものが経験主義の上に成立している。

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