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【東大教授論文不正】「不適切な加工が常態化」 “スター科学者”の実像に揺れる学界

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【東大教授論文不正】
「不適切な加工が常態化」 “スター科学者”の実像に揺れる学界

東京大分子細胞生物学研究所の渡辺嘉典教授 東京大分子細胞生物学研究所の渡辺嘉典教授

 「研究室で不適切な加工が常態化していた」「倫理意識の欠如が根本にある」。東大は1日公表した論文不正の調査報告で、分子細胞生物学研究所の渡辺嘉典教授(55)の責任を厳しく指摘した。著名な学術誌に論文を連発していた“スター科学者”の実像に、学界からは「信じられない」と驚きの声が上がった。

 関係者によると、渡辺氏は分子生物学の第一人者。染色体の研究で知られ、生殖細胞の減数分裂に関する業績で平成27年度の朝日賞を受賞していた。近年は英ネイチャーなどの世界的な学術誌に論文を相次ぎ発表していたが、その中の5本が不正と認定された。

 九州大の佐々木裕之教授(分子生物学)は「素晴らしい研究をしている“花形スター”として知られていた。ショックで信じられない。これが本当なら許されない。重大な捏造(ねつぞう)で残念だ」と話す。

 報告書によると渡辺氏は研究室のメンバーに対し、実験の裏付けとなるはずの画像を「積極的に加工しなければならない」などと指導。メンバーはこうした方針に違和感を覚えながらも従い、あるいは疑問すら抱けないのが実態だった。不正を認定された元助教の丹野悠司氏は「犠牲者の側面もある」とした。

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