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「核のごみ」「地層処分」をテーマに学生が映像作品 デジタルハリウッド

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「核のごみ」「地層処分」をテーマに学生が映像作品 デジタルハリウッド

 いつか必ず処分しなければならない核のごみ。避けることができないその取り組みには、多くの人のコンセンサスが不可欠だ。どうすれば国民の関心が高まり、理解が深まるのか。若い才能が今年もこのテーマに挑んだ。

 新時代を切り開くクリエイターを輩出するデジタルハリウッド(東京都千代田区)は、地球規模の課題や世代をまたいで存在する中期的な課題の解決法を、デジタルコンテンツを通じてさぐる「デジタルハリウッド・アースプロジェクト」に2012年から不定期で取り組んでいる。今回の「デジタルハリウッド・アースプロジェクト2017」では、前回に続き原子力発電環境整備機構(NUMO、ニューモ)の協力を得て実施され、原子力発電に伴い発生する高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみの処分問題」を知るきっかけとなる作品制作に5チームが挑戦した。

発表会には多くの学生たちが参加した

発表会には多くの学生たちが参加した

 7月12日に同大学で開催された作品発表会で最優秀作品賞に選ばれたのは、三年生の吉原茂希さん、吉兼尚聡(まさあき)さん、三代飛翔(あすか)さんが作った約2分間の動画「on Your mark」。カラフルなイラストに動きを加えたモーショングラフィックス表現を用い、地層処分が必要とされる社会的背景と、理解が進まない現状を丁寧に説明する動画で、審査委員長を務めた同大学の杉山知之学長も「NUMOの公式サイトで使っていただきたい」と太鼓判を押すクオリティーだった。制作期間中にNUMOを2回訪問し、正確な情報と現状の課題を学んで作品に織り込んだ吉原さんたちの行動力と真摯な気持ちが実を結んだ。

発表会には多くの学生たちが参加した

最優秀作品賞を受賞した吉兼尚聡さん、吉原茂希さん、三代飛翔さん=7月12日、東京都千代田区のデジタルハリウッド大学

 この作品の真価はクライマックスの10秒にある。モーショングラフィックスが終わると映像が実写に切り替わり、スマートフォンで動画を見ていた女性が「なんとかなるって」と軽い調子でつぶやく。最後に暗い画面に文字が浮かび上がる。「ね、進まないでしょ?」。メッセージを伝えるだけでは、他人の考えや行動を変えられない―。あえて「伝わらない思い、メッセージ性の限界」を前面に押し出すことで、逆に強い印象を残した。

発表会には多くの学生たちが参加した

「on Your mark」

 当事者意識の欠けた姿を突きつけ、見る人にショックを与える終わり方だが、吉原さんはこれこそが狙いだったと話す。「原子力発電のごみは他人事ではない。それを人に気づかせるのに、見る人の“裏”を突く、ドキッとさせるというのが一番やりたいことだった」。

 動画はこちら(http://www.sankei.com/special/ep2017/

 杉山学長も「オチが本当に良かった。かなりインパクトがある」と高く評価し、「ビデオを見ても心が変わっていない、なんとかなると言ってしまう彼女が日本国民を代表している。客観的に、自分たちのビデオを見れば分かってもらえると思っていないのがすごいと思う」と解説した。

発表会には多くの学生たちが参加した

審査委員長の杉山知之・デジタルハリウッド大学学長

 惜しくも最優秀作品賞を逃した4作品も力作揃いだ。伊藤聖也さんたちのチームが作った「今と向き合う」は、夢を追って音楽やダンスに打ち込む若者たちを描く群像劇で、未来につながる「今」から先送りできない地層処分について考えようと訴えた。

発表会には多くの学生たちが参加した

「今と向き合う」

 鴨下貴子さんは主婦の目線から、処分場に送られる家庭ごみと、行き場のない核のごみを可愛らしいマスコットで表現した「君は行くとこあるの?(Where is Ur home ?)」で問題をストレートに表現した。

発表会には多くの学生たちが参加した

「君は行くとこあるの?(Where is Ur home ?)」

 村中海斗さんと青葉えるもさんの“怪作”、「核の化身の家探し配信」は会場の笑いを誘った。奇妙なメークをした男性が、核のごみを擬人化した「核の化身」を名乗りインターネット生中継で家探し(=処分場探し)をするという、ゆるめのコメディーだ。視聴者のコメントが次々に流れていく若者に人気のインターネット中継のスタイルを取り入れたユニークさだけでなく、フィンランドで地層処分が進められている事例や、核のごみの処分に関する素朴な疑問などにも触れていたのが評価された。

発表会には多くの学生たちが参加した

「核の化身の家探し配信」

 田中義人さんたちは、発表会を告知するポスターを制作。大学内のデジタルサイネージなどに、物語仕立てのデザインを数回に分けて掲出する手法で認知拡大を図った。キャッチコピーを多言語で表記することで、留学生にもPRをすると同時に、地球規模の問題であることを印象づけた。

発表会には多くの学生たちが参加した

プレゼンを行う田中義人さん(左)たちのチーム

デジタルハリウッド・アースプロジェクト2017の特設ページ

提供 NUMO(原子力発電環境整備機構)

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