産経ニュース

【クローズアップ科学】スルメイカはなぜ減ったのか 東シナ海の低温化が産卵に打撃

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【クローズアップ科学】
スルメイカはなぜ減ったのか 東シナ海の低温化が産卵に打撃

生死を分ける海水温 生死を分ける海水温

 日本の食卓になじみ深いスルメイカが危機に瀕(ひん)している。漁獲量が激減しており、産卵場所である東シナ海の周期的な水温低下と地球温暖化が影響していると専門家は指摘する。価格の高騰が続くと庶民から縁遠い存在になりかねない。(伊藤壽一郎)

過去最低の漁獲量

 スルメイカは日本列島周辺に広く分布し、日本人にとってイカ類の中で最も身近な存在だ。しかし、近年の漁獲量は1996年の44万トンをピークに減少傾向が続いている。

 ここ数年は年間20万トン前後で推移していたが、昨年は過去最低の6万8千トンに落ち込み、全国主要港の平均価格も近年の約2倍に当たる1キロ当たり517円に跳ね上がった。絶滅が懸念され価格高騰が続くニホンウナギやクロマグロと似た危機的状況だ。

 今年もその傾向は変わらず、スルメイカ漁で有名な北海道函館市では、今季の漁が解禁された6月の水揚げ量が前年の半分以下の242トンと過去最低を記録。同市農林水産部の担当者は「地元経済に大打撃だ」と頭を抱える。

 スルメイカは産卵時期によって「冬生まれ」と「秋生まれ」に大別され、回遊域が異なる。7割以上を占める冬生まれは東シナ海で冬に産卵し、孵化(ふか)すると黒潮に乗り北上。夏から冬に東北沖や北海道沖の太平洋を回遊して成長し、産卵が近づくと日本海経由で東シナ海に戻る。

続きを読む

「ライフ」のランキング