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【消えるがん 消えないがん(上)】“漢方の名医”から「標準治療」に切り替え「奇跡が起きました」 がん患者が陥りやすい民間療法という“幻想”

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【消えるがん 消えないがん(上)】
“漢方の名医”から「標準治療」に切り替え「奇跡が起きました」 がん患者が陥りやすい民間療法という“幻想”

国立がん研究センターでは、安易な民間療法依存にホームページで警鐘を鳴らす 国立がん研究センターでは、安易な民間療法依存にホームページで警鐘を鳴らす

 3年前の平成26年秋のことだった。九州大学教授の杉本雄二郎さん(59)=仮名=は福岡市内の総合病院の診察室で、主治医の言葉を待っていた。

 パソコン上の画像を見つめていた医師が顔を上げ、杉本さんの目を見つめてこう告げた。「ステージ4です。余命1年半か、もっても2年です」。診断は血液がんの一種、悪性リンパ腫だった。

 「その後、どうやって自宅に帰ったか記憶にない。3日くらいは何も手につかなかった」

 30代後半から肺がんの手術を3回受けていた。肺に広がったがん細胞はすべて切除し、もうがんにおびえることなく暮らせると思った直後の余命宣告だった。

 しかし、生きる希望は捨てなかった。書籍やインターネット、怪しげな噂話まで、あらゆる情報を調べた。そんな中、妻がベトナムに東洋医学の“名医”がいるという情報を聞きつけてきた。

                ■ ■ ■

 翌27年1月、わらにもすがる思いで訪れたその医院はハノイの旧市街、薬屋が立ち並ぶ一角にあった。

 「80歳くらいに見えたベトナム人の先生は、黙って僕の手をとって脈を取るだけだった」

 棚に並んだ漢方のガラス瓶の中からいくつかを取りだした老医師は、数種類の漢方薬を処方し、杉本さんに手渡した。

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