産経ニュース

「ほとんどケンカ状態の激しい対立があった」 芥川賞選考委員の高樹のぶ子さん会見詳報

ライフ ライフ

記事詳細

更新


「ほとんどケンカ状態の激しい対立があった」 芥川賞選考委員の高樹のぶ子さん会見詳報

高樹のぶ子さん(三尾郁恵撮影) 高樹のぶ子さん(三尾郁恵撮影)

 第157回芥川賞は、沼田真佑さん(38)の「影裏(えいり)」(文学界5月号)に決まった。19日に東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれた選考委員会の後、委員の高樹のぶ子さんが会見に臨み、選考経過について説明した。

     

 「選考においては大変な対立がありました。ほとんどケンカ状態です。当事者の一方が私でしたので、もう一方の委員の意見を私が説明できるかどうか…。はなはだ心もとない限りです。まず、選考過程の大きな流れを申し上げます。4作品の中で、最初に温又柔(ゆうじゅう)さん(37)の『真ん中の子どもたち』(すばる4月号)が外れました。次に、古川真人(まこと)さん(28)の『四時過ぎの船』(新潮6月号)が落ちました。最後に、今村夏子さん(37)の『星の子』(小説トリッパー春号)と受賞作が残り、決選投票となりました」

 「受賞作については、最初から過半数以上の得点を取っていました。受賞作に選ぶためのいろいろな意見が挙がりましたが、それとは反対の意見も出ました。例えば、私の意見では、この作品は『3・11』の大震災を踏まえ、人間の外部と内部の“崩壊”を描いたものだと思います。大震災を小説化するには、こういう描き方しかないと思い、私は強く推しました。その一方で、そもそも『3・11』の要素は必要ないのでは、という意見もありました。また、(作品の舞台となった)岩手の自然描写が優れていると私は思いましたが、逆にそれがキラキラしていてダメだ、という意見も出ました」

続きを読む

このニュースの写真

  • 「ほとんどケンカ状態の激しい対立があった」 芥川賞選考委員の高樹のぶ子さん会見詳報

「ライフ」のランキング