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【鉄をはぐくむ 出雲國たたら風土記(上)】日本刀支える極上「玉鋼」

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【鉄をはぐくむ 出雲國たたら風土記(上)】
日本刀支える極上「玉鋼」

日刀保たたらの、今冬の操業風景=島根県奥出雲町大呂 日刀保たたらの、今冬の操業風景=島根県奥出雲町大呂

 モノづくりの原点

 操業の最高責任者は昔も今も「村下(むらげ)」と呼ばれる。「炎と向き合うのはごく一時期だが、必要な作業は砂鉄の採取や木炭の焼成、炉を作る準備など1年がかりだ」と63年から村下を務める木原明さん(81)。「『たたら』が日本のモノづくりの原点として捉えられることを誇りに思う」と話し、今も常に玉鋼の品質向上を目指している。

 江戸時代、この地を治めた松江藩から独占的に鉄山経営を任された家は「鉄師」と呼ばれ、筆頭鉄師を任じられていたのが「田部家」だった。室町時代に吉田村(現雲南市吉田町)で製鉄を始め、江戸時代に高殿を築き操業を本格化。最盛期には、国内の8割を占めた中国山地産鉄の大半を生産したとされる。その繁栄ぶりは、同町中心部の田部家土蔵群からもうかがえる。まぶしい白壁と落ち着いたなまこ壁の蔵が20棟近く整然と並ぶ光景は壮観だ。

 「高殿」再脚光

 ここから少し山あいに入った所に、田部家が大正時代まで操業を続けていた製鉄拠点があった。日本で唯一現存する高殿建築「菅谷高殿」で、幕末の嘉永3(1850)年に建てられ、こけら葺(ぶ)き屋根の建物内に炉、砂鉄や木炭の置き場、職人の詰め所などが往時の面影を残している。

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