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【おやこ新聞】養老先生のさかさま人間学 「伝」学問の自由支えるもの

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【おやこ新聞】
養老先生のさかさま人間学 「伝」学問の自由支えるもの

 先生(せんせい)は、生徒(せいと)に何(なに)かを伝(つた)えます。つまり教(おし)えます。わたしも大学(だいがく)で長年(ながねん)それをやりました。でも学生(がくせい)に何が伝わったのか、自信(じしん)がありません。

 大学で教えたのは解剖学(かいぼうがく)です。でも、講義(こうぎ)はほとんどしませんでした。解剖(かいぼう)は自分(じぶん)でするもので、耳(みみ)で聞(き)くものではないからです。学生の実習(じっしゅう)にはお付(つ)き合(あ)いしましたが、講義はしないのです。

 大学(だいがく)院生(いんせい)の時(とき)、わたしの先生が自宅(じたく)に来(こ)られたことがあります。

 母(はは)が「いつもお教えいただいて、ありがとうございます」とあいさつしたら、先生は「何も教えた覚(おぼ)えはありません」と言(い)われました。

 先生はヘソ曲(ま)がりではありません。人(ひと)の気持(きも)ちがよく分(わ)かる人でした。

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