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【書評】文筆家・木村衣有子が読む『誰がアパレルを殺すのか』杉原淳一、染原睦美著 再び服に夢を見たい「志」

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【書評】
文筆家・木村衣有子が読む『誰がアパレルを殺すのか』杉原淳一、染原睦美著 再び服に夢を見たい「志」

『誰がアパレルを殺すのか』杉原淳一、染原睦美著 『誰がアパレルを殺すのか』杉原淳一、染原睦美著

 でも、希望はある。とある百貨店の社長は「アパレル不振については楽観していませんが、悲観一辺倒でもありません。志があって、経営者の意図がはっきりしているブランドは売れています」と話している。

 志あるブランドとして、自社でデザインから手がけた生地を99%使い切るところからはじまり、全てにおいて業界の慣習の逆をゆく「ミナペルホネン」が挙げられる。1着にかけられるコストを明示する「Everlane(エバーレーン)」や、リサイクルに注力する「パタゴニア」などアメリカの事例も紹介される。

 個人的には、縫製職人と、一点ものや小ロットの注文を結びつける「nutte(ヌッテ)」の心意気が、ぐっときた。一着一着、こんな風にしてほしいとつぶさに希望を伝え、縫ってもらう。そこまで立ち返れば、再び服に夢を見ることができるかもしれない。(日経BP社・1500+税)

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