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【書評】日本生産性本部理事長・前田和敬が読む『未来の年表』河合雅司著 AI、外国人労働者受け入れ 活躍推進…いずれも切り札にならない 「静かなる有事」時系列で描く

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【書評】
日本生産性本部理事長・前田和敬が読む『未来の年表』河合雅司著 AI、外国人労働者受け入れ 活躍推進…いずれも切り札にならない 「静かなる有事」時系列で描く

『未来の年表』河合雅司著 『未来の年表』河合雅司著

 この事態に対し著者は、人口減少はもはや止めようがなく、AIも外国人も女性・高齢者の活躍促進も切り札にはなり得ないと言う。現代に生きる私たちの責務は、人口が増えていた時代の成功体験と決別し、「戦略的に縮む」ことによって、「次世代が対策を考える時間的余裕を作ること」であり、そのための10の処方箋が並ぶ。中には驚くべきものもあるが、そこまでしなければわが国はギアチェンジできないのかもしれない。

 それにしても、著者が講演先で中学生に言われたとされる「大人たちは何かを隠している」という言葉は、私たちの胸に突き刺さる。著者が本書を閉じるにあたって、学生向けに記した「未来を担う君たちへ」という一文は、司馬遼太郎の「二十一世紀に生きる君たちへ」を彷彿(ほうふつ)とさせる。今を生きる大人たちこそ噛(か)みしめるべきだろう。(講談社現代新書・760円+税)

 

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