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【マキャベリ流-是非に及ばず】NOBUNAGA(32)運命の女神が敵を授けなければ、奸計を用いてもつくりだせ

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【マキャベリ流-是非に及ばず】
NOBUNAGA(32)運命の女神が敵を授けなければ、奸計を用いてもつくりだせ

ひげのない織田信長肖像画(部分)。描かれたのは信長在世時前後とみられるが、江戸時代の加筆の跡があるという(大本山本能寺所蔵) ひげのない織田信長肖像画(部分)。描かれたのは信長在世時前後とみられるが、江戸時代の加筆の跡があるという(大本山本能寺所蔵)

 「『陰謀というものは、大半の場合、それを仕かけた側に破滅をもたらし、仕かけられた側を偉大にする。だから君主は殺されてしまわない限り、ほとんど常により大きな権力の持ち主となる』(※2)とは、おれさまの『フィレンツェ史』の一節だ。まさに『本能寺の変』までの信長の軌跡とは思わんかね」

 再びお師匠様だ。「はあ…」と生返事をしつつ(また我田引水から話が脱線してゆくんじゃないだろうな)と内心ひやひやする筆者をよそにお師匠様は続けた。

 「しかし、だ。陰謀の対象となった者は多く、善良な君主から一転、凶悪な暴君に変貌してしまう。『なぜなら、こうした陰謀は恐怖の原因を作り出し、恐怖は身の安全を求めさせ、身の安全を図ることは他人への侮辱をひき起こし、そこからその後の憎悪を生み、多くの場合、その君主の破滅を生み出すことになるからだ』(※3)。そんなものだが、信長の野郎がもともと模範的な『善良な君主』だったかどうかは別として、あいつは決して『凶悪な暴君』とはならず(これまた異論のある奴(やつ)もいるだろうが)、『善良』な部分をどこかに残していた。そこが偉いところだ。なあ!」

 脱線こそ免れたが、またお師匠様の「無茶(むちゃ)振り」だ。しかしながらそうと知りつつ、援護の論陣を張らねばならない。弟子はつらいよ…。

                   

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