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【話の肖像画】フィギュアスケート・コーチ 浜田美栄(5)五輪シーズンも平常心で

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【話の肖像画】
フィギュアスケート・コーチ 浜田美栄(5)五輪シーズンも平常心で

ぶれない心で指導を続ける=大阪府高槻市の関西大学たかつきアイスアリーナ (門井聡撮影) ぶれない心で指導を続ける=大阪府高槻市の関西大学たかつきアイスアリーナ (門井聡撮影)

 〈今のブームを冷静に受け止めているのは、指導者としてのぶれない軸があるからだ〉

 いつも「初級に帰る」という気持ちを持っています。選手はうまくなって、大きな大会に出て、やがてはフィギュアスケート以外の世界にも羽ばたいていくでしょう。でもコーチは、また新しく習いに来てくれた子たちに一から教えることから始めます。1回転のジャンプを跳べるようになったら一緒に喜んで、次は2回転を跳べるようにって…。その繰り返しですよね。コーチは職人です。その道を極めていくことにやりがいを感じています。

 〈来年2月には平昌五輪が開幕。宮原知子や本田真凜ら、教え子たちは日本代表の有力候補だ〉

 五輪シーズンも、私は平常心です。選手時代に五輪に出られると思ったことはなく、指導者になってからも五輪を目標にやってきたわけではないので。

 もちろん、五輪を目指す選手たちの望みは最大限にかなえてあげたいです。かなえば、これ以上ない喜びです。でも、言い方は良くないかもしれませんが、五輪のために教えてきたわけではないんです。スケートが好きで指導者になって、こんなふうに滑ってほしいなと思ってここまでやってきました。

 〈スケートと出合って半世紀がたつ〉

 小学6年のとき、文集に将来の職業として「フィギュアスケートのコーチになりたい」と書きました。気がつけば、スケートは体の一部ですね。

 今春に大学を卒業した娘の運動会にも卒業式にも一度も行けませんでした。3月の大学の卒業式が最後のチャンスでしたが、(指導する本田真凜らが出場した)ジュニアの世界選手権と日程が重なって…。母は「スケートを始めるとき、やめないでと約束させなければよかった」と嘆いています。

 でも好きなんですよね、フィギュアスケートも、教えることも。結局は単純だけど、その気持ちゆえに続いているんだと思います。(聞き手 田中充)=次回は日本将棋連盟会長の佐藤康光さん

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