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【ゆうゆうLife 家族がいてもいなくても(506)】スマホが愛しのパートナー

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【ゆうゆうLife 家族がいてもいなくても(506)】
スマホが愛しのパートナー

 使い始めて2カ月目、最初は、電話が鳴っただけで切っちゃったり、触っただけで電話がかかっちゃったり、メールもうまく打てなくて、もう投げ捨てそうになっていた。悪戦苦闘だった。

 スマホの基本操作は、ともかく「画面を優しくスライドする」だと気づき、「スライド、スライド」と呪文(じゅもん)を唱え、やっと無意識下にあった、なんでもいきなり「押しちゃえ」という操作クセを克服した。

 「慣れる」はすごい。

 しかも「必要に迫られて」。これがやっぱりすごい。

 ここ2週間、何がなんでも400字詰め原稿用紙600枚ぐらいの原稿を何度も読まなくてはならない仕事があった。

 電車で、高速バスで、駅のベンチで、喫茶店で…、と移動しながらも、片時もスマホと離れず読み続けた。そして、ついに手になじんだ。

 しかも「優しくスライド」を続けていたら、なにやら自分のこれからのパートナーのような気がして愛しくなってきた。二人三脚、一緒に生きていこうね、という気分になってきたのだった。

 きっと私はロボットだって慣れ親しめば仲良くなっちゃう、そんな人なのかもしれない、という気がしてならない。(ノンフィクション作家・久田恵)

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