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【ゆうゆうLife・がんゲノム医療の試金石 最善の選択肢を求めて(上)】遺伝カウンセリング整備が急務

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【ゆうゆうLife・がんゲノム医療の試金石 最善の選択肢を求めて(上)】
遺伝カウンセリング整備が急務

教育セミナーに参加した医師らは2~3人ずつのグループに分かれて、患者に遺伝カウンセリングを行う実践的な訓練を行った=東京都品川区の昭和大学(佐藤好美撮影) 教育セミナーに参加した医師らは2~3人ずつのグループに分かれて、患者に遺伝カウンセリングを行う実践的な訓練を行った=東京都品川区の昭和大学(佐藤好美撮影)

 同機構は、HBOCの診察ができる医療機関の質と数を整えるため、昨年発足。今秋から、一定水準を満たす医療機関の認定審査を開始する。

 新薬の登場

 専門医らが体制整備を急ぐのは、来春にも遺伝性卵巣がんに対する新しい抗がん剤「PARP(パアプ)阻害剤」が登場する見通しだからだ。対象患者は「BRCA」と呼ばれる遺伝子に変異がある人に限られるとみられる。

 がん細胞の遺伝子変異に着目した薬は珍しくない。例えば、肺がんに対するイレッサがある。ただ、これらの薬が働きかける遺伝子変異は次世代には伝わらない。

 PARP阻害剤は、人の生殖細胞系列の遺伝子変異に着目した新薬。患者本人に遺伝子変異があれば、その血縁者にも変異の可能性がある。兄弟姉妹や親子の場合、同じ遺伝子変異を持つ確率は性別によらず50%だ。

 血縁者にもかかわる重い情報であることから、遺伝子変異の有無を検査する際は、検査の前と後に遺伝カウンセリングが求められる。

 だが、現状では、卵巣がんの治療を一般的に行う医療機関で、こうした体制は十分とはいえない。一方で、遺伝カウンセリングができないからと、新薬を必要とする患者にその選択肢が届かないことはあってはならない。

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