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ゲンロン0 東浩紀さん哲学書ベストセラー 観光客がつくる新たな連帯

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ゲンロン0 東浩紀さん哲学書ベストセラー 観光客がつくる新たな連帯

「今この瞬間の行動でなく、長いスパンで考えるのが思想の役割」と語る東浩紀さん(桐原正道撮影) 「今この瞬間の行動でなく、長いスパンで考えるのが思想の役割」と語る東浩紀さん(桐原正道撮影)

 現代世界の思想的困難を乗り越えるカギは「観光客」-。批評家の東浩紀さん(46)の最新刊『ゲンロン0 観光客の哲学』(ゲンロン)が、4月の刊行以来、2万7千部という哲学書としては異例のベストセラーになっている。東さん自身も「現段階の自分のすべてを注いだ本。いままで哲学に興味がなかった人にこそ読んでもらいたい」と語る自信作だ。(磨井慎吾)

                   

 本書の問題意識の中心にあるのが、現代世界がナショナリズムとグローバリズムに引き裂かれているという時代分析だ。先の仏大統領選や英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票でみられたように、いまや世界の対立軸は左右のイデオロギーではなく、もっぱらこの両極で争われていると東さんはみる。

 思想的に整理すると、前者は特定の共同体の価値観を優先するコミュニタリアニズム(共同体主義)に、後者は利潤追求をはじめとした個人の自由を絶対視するリバタリアニズム(自由至上主義)に帰結する。東さんは現状を、政治は依然ナショナリズムに基づき各国家の単位で行われているのに、経済はグローバリズムの原理に従い国境を越えて融合している“二層構造”の時代だと表現する。

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