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【九州北部豪雨】朝倉市の中小河川「50年に1度の流量」大幅に上回る 気象庁の新システムで分析

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【九州北部豪雨】
朝倉市の中小河川「50年に1度の流量」大幅に上回る 気象庁の新システムで分析

 福岡、大分両県を5日に襲った豪雨で、甚大な被害があった福岡県朝倉市内の3つの中小河川で、当時の流量が「50年に1度」の基準をはるかに上回っていたと推定されることが11日、気象庁関係者への取材で分かった。これまで中小河川の水位や流量は把握できなかったが、同庁が今月運用開始した、流量を数値化する「流域雨量指数」によって推定できるようになったという。

 流域雨量指数は予測雨量を基に、雨が地表や地中から川に流れ込む過程をモデル化し、流量を予測する数値。気象庁のデータによると筑後川から分岐する地点での桂川の同指数は正午には増え始め、午後2時ごろには最も危険度の高い基準を超えた。その後も増え続けて基準を大きく上回り、午後7時ごろにピークを迎えた。市内で氾濫した赤谷川、北川でも同様に最大危険度の基準を大きく超えていた。

 同庁関係者によると、この基準は「過去の重大な洪水害発生時に匹敵する値」とされるが、「50年に1度」規模の流量に相当するという。

 国土交通省や都道府県が管理する大河川は観測所で水位を常時監視するが、上流部や支流には観測所がない。中小河川の実態解明が進むことで防災対策が課題になりそうだ。平成24年の九州北部豪雨の後、福岡県は約278億円で10河川の対策工事を行ったが、今回氾濫した河川は含まれていなかった。

 中大理工学部の山田正教授(防災工学)は「中小河川の防災は今まで部分的にしか対策されてこなかった。予算をかけずに被害を最小化できるよう工夫して全国的な防災力を底上げすることが必要だ」と述べた。(市岡豊大)

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