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【クローズアップ科学】「予知脱却」見えぬ出口 南海トラフ地震と大震法めぐり白熱…切迫度レベル分けも難しく

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【クローズアップ科学】
「予知脱却」見えぬ出口 南海トラフ地震と大震法めぐり白熱…切迫度レベル分けも難しく

予知困難 対策どう変える 予知困難 対策どう変える

2ケースに限定?

 今後の作業部会は(1)南海トラフの東側で大地震が発生し、西側でも連動する恐れがある(2)震源域でM7級が発生し、大地震につながる恐れがある-の2つのケースを軸に防災情報を検討し、今年度中に報告書をまとめる。

 だが南海トラフ地震は歴史上、連動間隔に約30時間~2年の幅があり、江戸時代の宝永地震のようにほぼ全域が同時に動く場合もあるなど発生パターンは多様だ。M7級が先行した事例は確認されていない。

 河田恵昭関西大特命教授(危機管理学)は「地震にはまだ分からないことが多く、謙虚さが必要。どんな起き方でも効果がある対策をまず考えるべきだ」と、ケースを限定した議論に疑問を呈す。

 山岡耕春名古屋大教授(地震学)は「想定された事態と、想定外の対応の二本立てで考える必要があるのでは」との見方を示すが、想定外の議論は進んでいない。

 日本人は東日本大震災で想定外の事態を起こしてはならないと学んだ。南海トラフのどこかで大地震が起きる確率は30年以内に70%、10年以内に20~30%と非常に高い。新たな防災体制の構築に向け、議論の停滞は許されない。

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