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【話の肖像画】編集者・岸田一郎(2) ブーム仕掛ける方がおもしろい

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【話の肖像画】
編集者・岸田一郎(2) ブーム仕掛ける方がおもしろい

高度経済成長期に子供時代を過ごした 高度経済成長期に子供時代を過ごした

 〈生まれは大阪市都島区。多趣味な父親のもと、高度経済成長期に子供時代を過ごした〉

 父親は鉄工関係の仕事をしていました。バイクに乗り、機械いじりが好きな道楽者。取り立てて裕福ではありませんでしたが、父がいろいろなおもちゃを買ってくれました。10段変速の自転車や、模型の電気機関車…。

 でも、モノを買ってもらううちに、あることに気づいたんです。おもちゃは、遊ぶ楽しさだけではない。「ほかの子の自転車は3段変速だけれど、ボクのは10段変速ですごい」とか、モノで他人と差別化できる。無意識のうちに優越感を持っていたんです。

 戦前は、モノがないから内面で勝負するしかなかったけれど、戦後、豊かな暮らしが送れるようになった結果、付加価値として、モノでも自己表現ができるようになったんですね。まさに自分は、「物欲第1期生」と言える世代ではないでしょうか。

 〈10代のころはファッションに夢中になった〉

 中学生になると、当時はやっていた男性誌「メンズクラブ」を愛読しました。大学生や20代の男性がターゲットの雑誌でしたが、早熟だったんですね。その頃からファッションにはまっていました。メンズクラブは、当時はやっていた「アイビースタイル」の教科書だった。お小遣いをためて、ギンガムチェックのシャツや「VAN」のスニーカーを買っていました。

 でも、流行はすぐに移り変わる。本を見ていると新しい服が欲しくなる。流行が終わると、去年買ったシャツがダサく感じてしまう。誰かがブームを作っていると気づき、ばからしくなって、流行を追うのをやめました。

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