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「助け合いの社会、日本でも」 草の根交流拠点、国民学校創設者・千葉忠夫さん

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「助け合いの社会、日本でも」 草の根交流拠点、国民学校創設者・千葉忠夫さん

千葉忠夫さん 千葉忠夫さん

 【コペンハーゲン=伊藤弘一郎】「デンマークには子供の貧困などの問題はないのですか」。皇太子さまが今回の訪問前、東宮御所で専門家から進講を受けた際、特に熱心に聞かれたのが、同国の教育や社会福祉だったという。19日に訪問された「北フュン国民高等学校」は、皇太子さまが関心を持たれている分野で、モデルケースの一つとなりうる独自の教育機関だ。

 創設者は同国在住の千葉忠夫さん(76)。千葉さんは26歳で単身、同国に渡航し、1983年に廃校を購入して非行少年の社会復帰を助ける学校を設立した。後に国の認可を受け、障害者や難民にも門戸を広げた「日欧文化交流学院」が、国民高等学校の前身だ。日本から短期研修生も受け入れた結果、同校は両国の「草の根交流」の拠点となった。

 千葉さんは98年、天皇陛下がデンマークを訪問された際、フレーデンスボー宮殿で懇談する機会があった。千葉さんが同校での取り組みを説明すると、陛下は「非常に意義のある学校ですね」と聞き入られたという。

 18日、大使公邸での在留邦人との接見に招かれた千葉さんは、初めて皇太子さまと話した。千葉さんは皇太子さまから同校について「日本で参考になることはありませんか」と尋ねられ「デンマークは国民が自分の国を幸せにするために努力しています」と答えた。「(物腰の)“柔らかさ”が陛下と似ておられる」と感じた。

 「人々に心を寄せ、人道的な見地に立たれたご活動は、陛下から皇太子さまにも受け継がれると期待している。皇太子さまご訪問を契機に、日本でも福祉や教育がより充実し、どんな人も住みやすいよう助け合う連帯感が定着してくれれば」。千葉さんはそう話した。

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