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【アート 美】「椿貞雄」展 偉大な師を持った幸運と不運

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【アート 美】
「椿貞雄」展 偉大な師を持った幸運と不運

「冬枯れの道」 「冬枯れの道」

 偉大な画家を師に持つと、その影は生涯ついてまわるのか。そんなことを考えさせるのが、椿貞雄の絵画だ。ゆかりの地である千葉県の千葉市美術館で、没後60年を記念して「椿貞雄 師・劉生、そして家族とともに」展が開かれている。

 明治に生まれ、大正、昭和を生きた椿は、重厚で写実的な風景画や肖像画など多くの油彩画を残した。代表作に挙げられるのが大胆に坂道を捉えた「冬枯の道」だ。デコボコ道と黄土色の土。暗さをはらんだ空が地上を包み込み、細密な描写は小石など細部にまで及ぶ。人もいない風景だが、ドラマチックな雰囲気が漂う。

 これを見て岸田劉生(1891~1929年)の「冬枯れの道路」をはじめとする一連の風景画を思い出す人も多いのでは。「麗子像」などで知られる劉生は、対象を緻密に描写したリアリズム絵画で後の画家に大きな影響を与えた近代美術の巨匠。椿の師はまさに劉生だった。2人はともに写生に出かけ、同じ場所で絵筆を握った。

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