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【東経137度で半世紀】気候変動を監視する日本の観測船「啓風丸」 目の当たりにした驚きの操船術と〝観測女子〟の大活躍

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【東経137度で半世紀】
気候変動を監視する日本の観測船「啓風丸」 目の当たりにした驚きの操船術と〝観測女子〟の大活躍

採水機能のある観測機器「CTD」を海中に沈める作業を行う観測員=5日、三浦半島沖の観測船「啓風丸」甲板(市岡豊大撮影) 採水機能のある観測機器「CTD」を海中に沈める作業を行う観測員=5日、三浦半島沖の観測船「啓風丸」甲板(市岡豊大撮影)

 列島から遠く離れた北西太平洋の東経137度線上で海水温や成分のデータを収集する気象庁の海洋観測が今年、開始から50年を迎えた。これほど長期にわたり一定海域を観測し続けている例は世界的に珍しい。気候変動の監視や海流などの観測のため、時に約2カ月間にわたる航海の途中、約110キロ間隔で海水を採取し続ける作業は、どのように行われるのか。7月27日から今夏の観測航海が始まるのを前に、記者が海洋気象観測船「啓風丸」に乗り込み、観測の様子を目撃した。そこには、熟練の職人技と情熱あふれる“観測女子”の姿があった。(社会部 市岡豊大)

世界有数…6000メートルまでの採水

 5日午後1時。青空が広がり、そよ風が頬をなでる三浦半島南西15キロ沖合。啓風丸の甲板ではワイヤでつり上げられた高性能観測装置「CTD」をクレーンで海中に沈める作業が行われていた。

 「ゆっくり降ろしてください。海面まで3メートル…2メートル…1メートル…50センチ…CTD海面」

 女性観測員の声がスピーカーから響く。装置は静かに着水すると、あっという間に海中へ消えていった。

 装置には10リットルの水が入る筒が36本備え付けられている。海底まで沈めた後、ワイヤで引き上げながら目標の深さに到達する度に遠隔操作で1本ずつふたを閉め、海水を採取する仕組みだ。深さ6000メートルまで採水できるのは、気象庁の他に日本の「海洋研究開発機構」と米国の「アメリカ海洋大気庁(NOAA)」だけ。

 気象庁は昭和42年、紀伊半島沖から赤道手前のニューギニア島沖まで約3400キロ区間に当たる東経137度線上での「定線観測」を開始し、年2回続けている。その後、さまざまな海域でも観測が行われ、現在は啓風丸、凌風丸の2隻でそれぞれ年間270日の航海をこなす。

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