産経ニュース

【解答乱麻】教育の本質を見失わないか気がかりだ 教師の長時間労働解消を 教育評論家・石井昌浩

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【解答乱麻】
教育の本質を見失わないか気がかりだ 教師の長時間労働解消を 教育評論家・石井昌浩

 もともと、勤務時間を適切に管理するという意識が管理者にも教師にも欠けていたのが実情である。文科省が4月末に発表した教員勤務実態調査では、過労死基準とされる1カ月の時間外労働が80時間を超えるケースが小学校で約3割、中学校で約6割に達している。しかし学校には勤務時間の記録も、過労を立証する証拠もない。長時間労働を改善するために、出勤簿、出退勤表示板などの従来の方式を改めて、タイムカードなどの導入を検討すべき時だと思う。

 ところで、本来の業務ですら時間内で責任を果たすのが困難な今の学校に次々と課題が押し寄せ、学校が引き受けられる分量をはるかに超えて手間暇のかかる仕事が増え続けている。

 日常の多忙さに埋没して授業を充実させる時間がない状況に慣れてしまい、結果として教師が教育の本質を見失ってしまわないか気がかりである。

 教師は、子供が生涯を豊かに生き抜けるように支える誇り高い職業である。専門職としての矜持(きょうじ)を守り続けてほしい。

                   

【プロフィル】石井昌浩

 いしい・まさひろ 都立教育研究所次長、国立市教育長など歴任。著書に『学校が泣いている』『丸投げされる学校』。

「ライフ」のランキング