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【日本再発見 たびを楽しむ】硯を作り300年、一生ものに出合う 雨端硯本舗工房(山梨) 

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【日本再発見 たびを楽しむ】
硯を作り300年、一生ものに出合う 雨端硯本舗工房(山梨) 

10種類のノミを使い、原石からなめらかな硯が生まれる 10種類のノミを使い、原石からなめらかな硯が生まれる

 JR甲府駅(山梨県)から身延線特急「ワイドビューふじかわ」に乗り換えて約20分。鰍沢口駅で下車し、富士川沿いに5分ほど車を走らせると、この地で300年以上にわたり、硯製作を続ける「雨端硯本舗工房」に着いた。

 にこやかに出迎えてくれたのは13代目の雨宮弥太郎さん(56)だ。さっそく工房で、原石を硯に成形する工程を見学した。ノミの柄を肩にあてて体重をかけ、全身で削る。水をかけて研磨すると、黒くしっとりとした石の肌が現れた。弥太郎さんは「滑らかな石の感触をめでながら墨をすると、気持ちが和む」と話す。

 雨端硯の原石「雨畑石」は富士川の支流沿いで採掘され、粘土質で適度に軟らかい中に硬質の粒子が均一に含まれている。これが「大根をおろすように」(弥太郎さん)墨をよくとらえ、硯に適していることから、古くから硯の産地として知られてきた。

 明治時代、元老院議官の中村正直氏が雨宮家の技術を中国の名硯「端渓(たんけい)」と並ぶと絶賛し、「雨端硯」の名を贈ったことが屋号の由来だ。

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