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【夢を追う】元C-C-Bドラマー・笠浩二さん(3)病に倒れ阿蘇へ

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【夢を追う】
元C-C-Bドラマー・笠浩二さん(3)病に倒れ阿蘇へ

両親と愛犬愛猫の家族で阿蘇のスローライフを満喫する笠浩二さん 両親と愛犬愛猫の家族で阿蘇のスローライフを満喫する笠浩二さん

 最初は寂しさや不便さも感じましたが、徐々に身体も回復し、精神的にも楽になった。手足が動くようになった。阿蘇の大自然、優しい人々に癒やされたのでしょう。

 《音楽活動を再開した。第一歩は地元の祭りだった》

 地元の人にイベントや祭りで「歌ってほしい」とリクエストされたんです。最初は趣味のつもりでした。

 でも、ドラムを教えたのをきっかけに仲良くなった阿蘇市の建設会社の社長が「ドラムを買ってやるから、もう一度ドラマーとしてやり直さんか?」と背中を押してくれた。この方は、熊本の民放テレビ局まで連れて行ってくれた。

 成果はすぐに出ました。夕方ニュース番組のコメンテーターやリポーターの仕事をもらった。

 ドラマーとしての本格復帰は、佐賀を拠点に活動するバンド「SPIRITS」への参加です。東京のミュージシャンを招いて、コラボライブで仲間の輪も広がった。音楽活動を、両親やおじも応援してくれた。

 《地元への恩返しを考えるようになった》

 阿蘇山が怒ると怖いけれど、阿蘇は自然や四季の移ろいが豊かな素晴らしい場所です。祖父母、両親の故郷であり、東京帰りの僕も優しく迎えてくれた。好きな音楽を続けることができるようになった。土地も人も好きで、心から感謝しています。

 でも、人口減少は深刻です。昨年春には、村内に3つあった中学校が統合され、唯一の中学校として、南阿蘇中学が創立しました。

 この中学校の校歌制作を依頼されました。うれしかったですね。作詞は阿蘇の友人に頼み、曲を作りました。

 《平成28年4月8日、南阿蘇中学の開校式で校歌がお披露目された》

 中学のブラスバンド部と一緒に僕がドラムをたたき、生徒と一緒に歌いました。北九州生まれの東京育ち。そんな僕が阿蘇の一員に本当になれた気がしました。地元に恩返しできてよかったと思う。

 その6日後、熊本地震が起きました。

 南阿蘇村は大きな土砂崩れや家屋倒壊などで多くの犠牲者が出た。亡くなった方がいると聞かされたときは、本当にショックでした。僕と生徒が校歌を披露した体育館は避難所になった。

 地震で村が、世話になった人が甚大な被害を受けた。「何かできることはないか」と考えるようになりました。

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