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村上春樹さん、翻訳について語るイベント「翻訳は究極の熟読」

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村上春樹さん、翻訳について語るイベント「翻訳は究極の熟読」

作家の村上春樹さん 作家の村上春樹さん

 人気作家、村上春樹さん(68)による翻訳をめぐるトークイベント「本当の翻訳の話をしよう」が27日夜に東京都内であり、村上さんが「翻訳は究極の熟読で、小説を書く勉強になる」と語った。村上さんが公の場で話をするのは珍しく、抽選で参加した約500人が貴重な肉声に耳を傾けた。

 村上さんは昭和56年に米作家フィッツジェラルドの作品集を翻訳。以来、訳書は約70冊に上る。イベントは自著「村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事」(中央公論新社)の刊行を記念して行われた。

 サーモンピンクのパンツに紺のジャケット姿で登壇した村上さんは冒頭の講演で、「好きに書く小説と制約の多い翻訳、という相反するものをバランス良くやることで、心地良いリズムがつくれる」と翻訳の効用を力説。「物をつくる人間にとって怖いのは『井の中の蛙』になること。外に開かれた窓のような翻訳作業を大事にしたい」と語った。

 このほか自らの翻訳作品や新作小説「騎士団長殺し」の一節も朗読。翻訳家の柴田元幸さん(62)を迎えた対談では時折ユーモアを交えた語りで会場を魅了した。

 会場では録音や写真の撮影が一切禁じられたが、全国から来たファンは熱心に聞き入った。

 村上さんが今年2月に書き下ろした「騎士団長殺し」は、全2巻で計138万部に上るベストセラーとなっている。

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