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【王室外交物語】職業外交官や政府高官とは別次元 関東学院大教授・君塚直隆

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【王室外交物語】
職業外交官や政府高官とは別次元 関東学院大教授・君塚直隆

プミポン前国王の肖像画が掲げられた部屋で記帳される天皇陛下と皇后さま=3月5日、タイ・バンコクの王宮(酒巻俊介撮影) プミポン前国王の肖像画が掲げられた部屋で記帳される天皇陛下と皇后さま=3月5日、タイ・バンコクの王宮(酒巻俊介撮影)

 本連載がこれから1年にわたって取りあげていくのは、まさにこの「ソフト」の外交である。高坂が触れていた昭和天皇は、皇太子時代を含めても欧米への3度(1921、71、75年)の外遊歴しかなく、その役割は日本を訪れた国賓や公賓らへの接遇に限られていた。その天皇の名代として世界中を回られたのが皇太子時代の現在の天皇陛下である。天皇に即位されてからの30年に近い歳月のなかでも、「皇室外交(宮内庁ではこのような言葉は使わず『皇室による国際親善』と言う)」を積極的に展開されてきた。

 つい先月も皇后陛下とともに初めてベトナムを訪問され、その帰路にはタイのバンコクにお立ち寄りになって、半世紀以上におよびご親交のあったプミポン前国王(昨年10月に逝去)の弔問も行われたことは、読者の記憶にも新しいことだろう。この天皇陛下の長い「外交歴」の始まりが、1953年6月に挙行された英国のエリザベス2世女王の戴冠(たいかん)式へのご出席であった。当時皇太子であられた陛下はその帰路に欧州各国も回られた。

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