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【王室外交物語】職業外交官や政府高官とは別次元 関東学院大教授・君塚直隆

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【王室外交物語】
職業外交官や政府高官とは別次元 関東学院大教授・君塚直隆

プミポン前国王の肖像画が掲げられた部屋で記帳される天皇陛下と皇后さま=3月5日、タイ・バンコクの王宮(酒巻俊介撮影) プミポン前国王の肖像画が掲げられた部屋で記帳される天皇陛下と皇后さま=3月5日、タイ・バンコクの王宮(酒巻俊介撮影)

 「“会う”ということが、外交政治においては大切なことなんですね。会うことによってお互いに信頼関係を築き上げることができる。ところが政治家の場合には、会ったら何らかの成果をあげなければならないという制約がある。天皇さんはそんな必要がない。(中略)そういう意味では国と国との関係を非政治化し、とくに政治的意味合いがなくても、お互いに関係を続けていくために天皇さんは大変ありがたい存在ですね」(『文芸春秋』平成元年3月特別号から)

 これは日本を代表する国際政治学者の故・高坂正堯(まさたか)が昭和天皇崩御の直後に残した至言である。政治や外交に「ハード」な側面があるとすれば、それはまさに政府や外交官らが日々の交渉で行うものである。しかし時としてそれはぶつかり合い、交渉が決裂することもまれではない。これに対して「ソフト」の政治外交は、国家の重要課題を直接的に決めることはできないかもしれないが、高坂の言葉にもあるとおり、国と国、人と人との関係を永続的につなげていくうえでは、極めて重要な意味を持ってくる。

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