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【平成30年史 JRの歩んだ道編(2)】駅失い「町は地図から消えた」 国道費の5%で維持できるのに…

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【平成30年史 JRの歩んだ道編(2)】
駅失い「町は地図から消えた」 国道費の5%で維持できるのに…

廃線になった旧JR池北線川上駅ホームに立つ元国鉄マンの三浦成作さん。かつてはホームが3つあったという=3月18日、北海道陸別町(市岡豊大撮影) 廃線になった旧JR池北線川上駅ホームに立つ元国鉄マンの三浦成作さん。かつてはホームが3つあったという=3月18日、北海道陸別町(市岡豊大撮影)

 オオオーン。時折、国道を走るトラックの音が遠くに響く。雪原の中で傾いた廃屋を風が吹き抜ける。北海道陸別町の山間にある旧JR池北(ちほく)線の小利別(しょうとしべつ)駅。

 平成18年に廃線となった。使われなくなった駅舎は保存されているが、線路跡は深い雪の下。傍らには、今秋開通する「高規格道路」の真新しい案内板が低い陽光を浴びている。

 「バスがあるだけまし。だから、特段の不満はねえんだ」

 町の小利別地区に妻と2人で暮らす元酪農業、西村寛(84)は月1回、代替バスで隣町へ通院する。片道1時間20分、本数は1日6~7本。地区の人口は22人。不満はないといいながら、ぽつりと漏らす。

 「病気でもしたら、もう出て行くしかねえな」

  ■  ■  ■ 

 木工所の町だった。西村は中学生のころ、池北線の線路の上を丸太を満載した20両を超える貨車が機関車に引かれていくのを校舎の窓から眺めていた。

 池北線は内陸部の貨物輸送を担っていたが、国鉄時代末期、輸送密度4千人未満で整理対象になる全国83の「特定地方交通線」の一つに指定された。

 JR発足後の平成元年に、第三セクター「ふるさと銀河線」になったが、年間4億円の赤字が続いた。

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