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【話の肖像画】前衛芸術家・篠原有司男(3) パンチ炸裂 反芸術に燃える

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【話の肖像画】
前衛芸術家・篠原有司男(3) パンチ炸裂 反芸術に燃える

ウィリアム・クラインが撮影した「ボクシング・ペインティング」を行なう篠原有司男 =1961年 (C)William Klein ウィリアム・クラインが撮影した「ボクシング・ペインティング」を行なう篠原有司男 =1961年 (C)William Klein

 64年に米国の大物美術家、ロバート・ラウシェンバーグの「Coca-Cola Plan(コカ・コーラ・プラン)」という作品を雑誌で見て、衝撃を受けた。使っているのはコカ・コーラの瓶。これなら僕にもできる、と勇気づけられた。オリジナルな作品を生み出すほど苦しいことはない。そのころ、僕はオリジナルが見つけられなかった。そしてひらめいたのが、イミテーション(模倣品)。コーラの瓶に2枚の翼を取り付け、蛍光塗料で塗りたくった。タイトルも彼と同じ。来日したラウシェンバーグが僕の家にやってきたとき、それを見せたら「私の息子」と笑ってくれたんだ。

 <「イミテーション・アート」は、常識を覆す反芸術の究極のアート。米国の美術館でも認知され、米国内の美術館を巡回した展覧会では、ラウシェンバーグの作品とともに展示された>

 おふくろには「人のまねをして恥ずかしくないのか」と怒られたよ。イミテーションは確かに卑怯(ひきょう)な方法だけど、既成の美術を否定してきたからこそ生まれたんだ。(聞き手 渋沢和彦)

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