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【マキャベリ流-是非に及ばず】NOBUNAGA(17)運命は、従う者を導き、逆らう者をひきずってゆく

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【マキャベリ流-是非に及ばず】
NOBUNAGA(17)運命は、従う者を導き、逆らう者をひきずってゆく

国指定史跡・桶狭間古戦場伝説地の真向かいにまします弘法大師像=愛知県豊明市(関厚夫撮影) 国指定史跡・桶狭間古戦場伝説地の真向かいにまします弘法大師像=愛知県豊明市(関厚夫撮影)

 1503年8月18日、ときのローマ教皇(法王)、アレクサンデル6世が急逝した。

 72歳とされる。お師匠(マキャベリ)様(さん)の親友、グイッチャルディーニが伝えるところによると、その遺体は《黒く膨れあがって見るも恐ろしく、醜悪》だった。また同時に息子のチェーザレ・ボルジアも瀕死(ひんし)に陥っていたため、一報は驚きをもって受け止められ、さまざまな臆測を呼んだ。

 このボルジア家の悲劇について当時、チェーザレがある要人を殺害するために用意していた毒ワインを誤って父子で飲んだ-とのもっぱらの噂だった。現在ではそれを含めた毒殺説やマラリア説が挙げられているが、真相はいまだ闇に包まれている。

 《栄光に満ちたアレクサンデルの魂は休息のため福者たちの間へと運ばれて行った。 その聖なる歩みには、彼に親しく愛された侍女として三人の聖女が付き従っていた。彼女らの名は「情欲」、「聖職売買」、それに「残虐」である》(※1)

 この辛辣(しんらつ)さ。お師匠様の面目躍如と言うべきだろう。教皇の死の翌年に書かれた詩『イタリア十年史 その一』の一節だ。一方、一命をとりとめたチェーザレについてお師匠様は、教皇の死後、四面楚歌(そか)となり、かつての仇敵(きゅうてき)によすがを求めるさまを同じ詩のなかで《公(チェーザレのこと)は、彼自身決して抱いたことのない慈悲の心というものを、他人は自分に対して抱いてくれるのだと思い込んだらしい》と嘲笑している。

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