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【マキャベリ流-是非に及ばず】だます人間は、だまされる人間をざらにかぎ分ける NOBUNAGA(16)

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【マキャベリ流-是非に及ばず】
だます人間は、だまされる人間をざらにかぎ分ける NOBUNAGA(16)

 さて前回に引き続き、「イタリアの織田信長」になれなかった男、チェーザレ・ボルジアについてなのだが、彼の出自について違和感を覚えた方もおられるだろう。

 チェーザレの父はローマ教皇(法王)のアレクサンデル6世。「当時、カトリック聖職者として最高の地位にある者になぜ子供がいるのか?」という疑問はしごくごもっともである。それに対する説明の一つとして、まずはお師匠(マキャベリ)様(さん)の親友、フランチェスコ・グイッチャルディーニの『イタリア史』を挙げたい。

 《教皇たちは、教皇というより、むしろ世俗君主のように思われるのである。彼らの関心と努力はもはや聖なる生活、あるいは宗教の宣伝、隣人に対する献身や慈善には向けられなくなる。ひたすらキリスト教徒に対して武器を執り、戦争を行い、その犠牲者を血塗られた両手や思想で扱うのである。彼らは財宝を蓄積しはじめる。新しい法を制定し、あらゆる方面から金を集めるために新しい策略、新しい狡猾(こうかつ)な装置を考え出す。(中略)大きな富が彼らに集中し、その宮廷全体に行き渡ると、その後に華美、贅沢(ぜいたく)、不正な慣行、淫欲、忌むべき快楽が続く》(※1)

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