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【解答乱麻】保育所建設反対…不寛容な空気 「地域で子育て」どこへ行った B&G財団専務理事・菅原悟志

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【解答乱麻】
保育所建設反対…不寛容な空気 「地域で子育て」どこへ行った B&G財団専務理事・菅原悟志

 だがそれを阻む大きな要因になっているのが、静かな生活を望む地域の大人だ。特に都市部の中高年が多いと聞く。「子供の声がうるさい」「騒音の垂れ流しだ」などと保育所建設の反対運動が各地で起き、計画の断念や開所が遅れる施設も少なくない。泣き声や笑い声、走り回る足音は日中だけの限られた時間であり、工事現場や飛行機の騒音とは異なる。子供の声が耐え難いほどの迷惑行為ならば、残念ながらわが国は「子育てに不向きな国」と言わざるを得ない。嫌だと感じる人には人里離れた田舎暮らしを勧める。カラスの子の鳴き声がうるさいと次はどこに苦情を寄せるのか。

 かつては地域で子供を教育するという意識があった。隣の不幸を見捨てられないという風習もあった。だが現在はどことなくギスギスし、不寛容な空気が世の中を覆い始めている。保育所の関係者は「反対する人はいくら説明してもさまざまな理由をつけて建設中止を要求してくる」と言う。一方、保育所の必要性に理解を示す人も多くいるはずで、今後賛成の声を上げてくれることを期待する。

 大切なことは排除ではなく他人を思いやる気持ちだ。互いの立場を尊重し、時には妥協することも地域では求められる。周りに迷惑をかけず生活している人はいない。人生経験が豊富な大人ならば分かることだろう。

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