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【話の肖像画】米国立衛生研究所感染症部長・満屋裕明(2)みんなが使えなければ無意味だ

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【話の肖像画】
米国立衛生研究所感染症部長・満屋裕明(2)みんなが使えなければ無意味だ

裁判は負けたがすぐに第2、第3のエイズ治療薬開発を目指した=1987年、米国立衛生研究所の研究室(満屋裕明氏提供) 裁判は負けたがすぐに第2、第3のエイズ治療薬開発を目指した=1987年、米国立衛生研究所の研究室(満屋裕明氏提供)

 結局、ジダノシンは91年、ザルシタビンは92年に承認され、相次いで発売されました。これらの発明者は僕とブローダー博士でしたが、特許の金銭的な権利は米政府に移譲しました。公正な競争で価格はAZTの数分の1になり、それとともに、AZT自体の価格も当初の3分の1程度まで下落したので、大いに気が晴れましたよ。

 その後、2006年には僕にとって4番目のエイズ治療薬「ダルナビル」も発売されました。この特許も米政府に移譲しましたが、10年にはオバマ大統領が世界保健機関(WHO)の関連機関に無償譲渡し、開発途上国が特許料を払わず薬品を使える国際制度に世界で初めて登録されました。僕の手掛けたエイズ治療薬はどれも安く使えるようになり、本当によかったと思います。(聞き手 伊藤壽一郎)

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