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石牟礼道子さんの卒寿祝いシンポジウム

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石牟礼道子さんの卒寿祝いシンポジウム

石牟礼道子さんの卒寿記念シンポジウムで討議する赤坂憲雄、町田康、いとうせいこう、赤坂真理の各氏(左から) 石牟礼道子さんの卒寿記念シンポジウムで討議する赤坂憲雄、町田康、いとうせいこう、赤坂真理の各氏(左から)

 水俣病患者の世界を描いた『苦海浄土』で知られる作家、石牟礼道子さん(90)の卒寿を祝うシンポジウム「石牟礼道子の宇宙(コスモス)」(藤原書店主催)が11日、東京都内で開かれ、ファンら約350人が参加した。

 熊本県在住の石牟礼さんは高齢のため不参加となったが、会場で「花を奉る」と題した自作の詩の朗読が流された。シンポでは民俗学者の赤坂憲雄さんをコーディネーターに、作家のいとうせいこう、赤坂真理、町田康の3氏が石牟礼文学について論じ合った。

 代表作の『苦海浄土』について、赤坂真理さんが「石牟礼さんは水俣病患者に対する後ろめたさ、やましさがない。暗くて重い本だろうな、という予見が裏切られた」と述べると、いとうさんも「僕が(東日本大震災がテーマの小説)『想像ラジオ』を書くとき苦しかったのは、死者の内面を勝手に代弁しているのでは、との思いがあったから。しかし文芸者はそのやましさをぶっちぎる暴力性がないと仕方がない。石牟礼さんも、やましさがないというより、やましさなく語るのが芸だと考えたのでは」と話し、聞き書き的手法を用いつつ、当事者の心に寄り添って自在に語らしめる石牟礼作品の特質を語った。

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