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【アート 美】ミュシャ展 祖国への思い込めた大作

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【アート 美】
ミュシャ展 祖国への思い込めた大作

「スラヴ叙事詩『原故郷のスラヴ民族』」1912年 プラハ市立美術館 3~6世紀のスラヴ民族の姿から、連作は始まる 「スラヴ叙事詩『原故郷のスラヴ民族』」1912年 プラハ市立美術館 3~6世紀のスラヴ民族の姿から、連作は始まる

 20世紀初頭、オーストリア=ハンガリー帝国の支配下にあったチェコ人をはじめ、民族自決を求める機運が高まる中、スラヴ叙事詩の構想を温めていたミュシャは、資金集めのため米国へ渡航。富裕層の肖像画を精力的に描く中、彼を大いに励ましたのが、ボストン交響楽団のコンサートで聞いたスメタナの交響詩「わが祖国」だったという。

 幸い、意義を理解した米富豪の援助もあり、故国に戻ったミュシャは、1911年から16年もの歳月を費やして、スラヴ叙事詩を完成させた。わが祖国のために役立ちたい-。そんな画家の切なる願いが、めくるめく大画面に込められている。(黒沢綾子)

                   

【プロフィル】Alfons Mucha

 アルフォンス・ミュシャ 1860年、オーストリア領モラヴィア(現チェコ東部)のイヴァンチツェ生まれ。独ミュンヘンの美術アカデミーを卒業後、パリへ。94年、女優サラ・ベルナール主演の舞台「ジスモンダ」のポスターを制作し、一気に注目される。1900年のパリ万博でスラヴ民族の歴史を描いたボスニア・ヘルツェゴヴィナ館の壁画を手掛け、銀賞に輝く。10年、チェコに戻り、翌年から「スラヴ叙事詩」制作に取り組む。39年、ドイツがチェコスロヴァキアに侵攻し、ゲシュタポに逮捕される。釈放されるが肺炎が悪化しプラハで死去。

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