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【書評】文筆家、木村衣有子が読む『おかしなパン』池田浩明、山本ゆりこ著 身近な存在を語り尽くす

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【書評】
文筆家、木村衣有子が読む『おかしなパン』池田浩明、山本ゆりこ著 身近な存在を語り尽くす

「おかしなパン」池田浩明、山本ゆりこ著(誠文堂新光社) 「おかしなパン」池田浩明、山本ゆりこ著(誠文堂新光社)

 もちろん、あんパンについてもページが割かれている。中でもJR秋葉原駅のホームにある売店「秋葉原ミルクスタンド」では「1個100円のあんぱんと120円の牛乳。〆(しめ)て220円のこのセットは『あんぱん定食』と呼ばれる」というエピソードが光る。ついでにいえば、あのミルクスタンドは1951(昭和26)年から続いているのだと、この本で初めて知った。菓子パンは、安価で手軽でおいしくて、日常にがっちり組み込まれていることも再確認させられる。そういった、小腹がすいたときの味方であり、決してよそゆきの顔をしていない、「ケ」の存在でもあるクリームパンやドーナツはもちろん、年に1度のお楽しみとして、クリスマスを待ちながら食べる「ハレ」の「お菓子なパン」であるシュトレンなどについても、ふたりはつぶさに語り尽くすのだった。(誠文堂新光社・1500円+税)

 評・木村衣有子(文筆家)

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