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【書評】文筆家、木村衣有子が読む『おかしなパン』池田浩明、山本ゆりこ著 身近な存在を語り尽くす

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文筆家、木村衣有子が読む『おかしなパン』池田浩明、山本ゆりこ著 身近な存在を語り尽くす

「おかしなパン」池田浩明、山本ゆりこ著(誠文堂新光社) 「おかしなパン」池田浩明、山本ゆりこ著(誠文堂新光社)

 メロンパンからシナモンロールまで、タイトルどおり「お菓子」でもあって「パン」でもある、甘い粉ものをめぐる対談集だ。

 十数年のあいだパリに暮らしていた菓子研究家の山本ゆりこさんは、ブリオッシュやパン・オ・ショコラなど、ヨーロッパからやってきた「お菓子なパン」のいろいろを解説してくれる。例えば「チョコタルティーヌ」と呼ばれるおやつは「フランスの家庭には、たいていバゲットが余ってて、板チョコもあるから、バターは塗ったり塗らなかったりではさん」だものだそうだ。それに応えて、パンライターの池田浩明さんは、あるフランス映画のワンシーンを紹介する。女優、エマニュエル・べアールが「板チョコを割って、ブリオッシュにブスッと刺して食べるんです」と。その何げない行為はフランスの日常をよく映しているという。また、フランスでの手土産の定番はチョコレートだとも。なるほど、それは日本におけるあんこと近しい存在だと思った私。おまんじゅうや羊羹(ようかん)など、手土産にはあんこは不可欠だし、それにやっぱり、あんパンも広く深く愛されてやまない菓子パンなのだし。

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