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【科学】京大、葉を食べるサルの謎解明 苦味を感じないように進化

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京大、葉を食べるサルの謎解明 苦味を感じないように進化

テングザル(インドネシア・ボゴール農科大提供) テングザル(インドネシア・ボゴール農科大提供)

 テングザルなど葉っぱだけを食べるサルの仲間「コロブス」は、苦味の感覚が鈍いことを京都大霊長類研究所などの国際研究チームが明らかにした。苦い葉を食べて生きていけるよう進化した結果とみられる。

 東南アジアなどに生息するコロブスは、ニホンザルなど雑食性のサルとは異なり、葉だけを食べることが知られている。そこで研究チームは、苦味物質として知られる有機化合物フェニルチオカルバミド(PTC)に対するコロブスの反応などを詳しく調べた。

 薄く切ったリンゴにPTCを浸して与えると、雑食性のサルのマカクは全く食べなかったのに対し、コロブスは多くが食べた。

 コロブスの糞(ふん)からDNAを採取し、PTCで苦味を感じるための受容体というタンパク質の機能を調べたところ、ほとんど反応がなかった。遺伝子の系統解析の結果、進化の過程で徐々にこの受容体の機能が失われたことが判明した。

 苦味の感覚は毒を避けるため動物が培った本能といわれる。霊長類研の今井啓雄准教授(分子生物学)は「コロブスが持つ解毒機能や他の苦味感覚についても調べ、特殊な食性のメカニズムを分子レベルで解明したい」としている。(黒田悠希)

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