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【温故地震】都司嘉宣 江戸後期の有感地震 「巨大」直前に急減、克明に記録

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【温故地震】
都司嘉宣 江戸後期の有感地震 「巨大」直前に急減、克明に記録

原木(千葉県市川市)の「大屋家日記」(都司嘉宣氏提供) 原木(千葉県市川市)の「大屋家日記」(都司嘉宣氏提供)

 地震計による地震観測は明治20年代ごろに本格化したが、それ以前に起きた地震は「歴史地震」と呼ばれる。地震の実像が、主として古文書類に書き残された内容に基づいて解明されてきたからだ。

 日本では、地震や津波で死傷者や家屋倒壊、田畑への浸水、漁船や漁具の破損といった被害が生じると年貢の取り立てなど領主の支配に影響するため、必ず公的な記録文書が作成されてきた。そのおかげで、江戸時代後半以降の被害を伴う地震を、現代の地震研究者はほぼ全て把握している。

 ただ、地震には被害を伴わず、ただ「揺れた」と感じられるだけの有感地震もある。社会には影響がないから、記録などないだろうと思うと、さにあらず。実はこういった地震も江戸時代後半以降、克明な記録が残っているのである。

 記録の主な担い手は日記だ。当時はかなり多くの人が日記を書いており、幕末期なら江戸市中だけでも常に5~10人の日記が確認できる。関東平野全体に広げれば、数はさらに増える。

 原木(ばらき)(千葉県市川市)の「大屋家日記」を見ると、1849(嘉永2)年5月後半のページで、最初の行の17日と最終行の30日に地震があったことが記録されている。いずれも被害を伴う地震としては記録がないものだ。

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