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【話の肖像画】ジオラマ作家・山本高樹(1)郷愁漂う昭和の風景再現

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【話の肖像画】
ジオラマ作家・山本高樹(1)郷愁漂う昭和の風景再現

山本高樹氏(山崎冬紘撮影) 山本高樹氏(山崎冬紘撮影)

 〈郷愁漂う昭和の風景をテーマにジオラマを制作している。工房は東京都世田谷区の静かな住宅地にある。一躍脚光を浴びたのは、平成24年、NHKの連続テレビ小説「梅ちゃん先生」のオープニングタイトルに使われたことだった〉

 ご存じの通り、梅ちゃん先生は堀北真希さん演じる若い女医が主人公で、戦後復興期の東京・蒲田を舞台にしたドラマです。ジオラマはけっこう評判がよかった。全国放送のおかげで、世間に知られていなかった僕の名前と作品が全国津々浦々に広まっていきました。感謝しています。

 ジオラマ作家として独立したのは平成13年です。36歳でした。親に頭を下げて実家の居間を改造して工房にしたのです。朝から夕方まで一人籠もって作業しています。梅ちゃん先生の作品もこの工房で作ったんですよ。3カ月かかりましたね。

 僕は失われつつある昭和の風景が好きなんです。昭和は遠くなっていきますが、僕の記憶の中の昭和の風景は変わりません。

 20代の頃、「民家巡礼」という本に出合いました。昭和30年代の地方の美しいたたずまいの古民家を紹介した本です。東京は急速に変貌していくのに、地方にはまだこんな情景が残っているのだろうか。自分の目で確かめたい。無性に行ってみたくなりました。休日、深夜特急に乗り込む。青森、秋田、新潟、島根などを延々と旅しました。昭和の名残の本物の町並みを見て感動しました。これこそ日本の風景なんだって。

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