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【原発最前線】規制委も「かなり重症」と危惧する東電の悪しき体質 柏崎刈羽審査終盤で蘇った福島の“悪夢”

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【原発最前線】
規制委も「かなり重症」と危惧する東電の悪しき体質 柏崎刈羽審査終盤で蘇った福島の“悪夢”

情報隠蔽か、取材を進めると…

 東電が不都合な情報を隠蔽しようとしたのか-。そんな憶測も飛び交ったが、23日の審査会合で、東電が経緯を説明すると、肩すかしを食らうようなお粗末な内容だった。

 26年のデータは、免震棟の耐震性を調べる際に、深い地層のデータがなかったため、1号機の地層データを代わりに使って試算した信頼性の低い代物だったのだ。そのため、東電も当時は公表するものではないと判断していたという。

 それではなぜ、東電は今になって公表したのか。東電によると、昨年夏に着任した担当者に、信頼性が低い情報であることが伝わっていなかったのだという。

 あきれた理由だが、実は根深い問題をはらんでいる。情報共有は長年、課題として指摘され続けてきたからだ。

東電に染みついた根深い問題とは…

 原発を安全に運転するには原子炉の設計を行う部署と、地震や津波対策を担う部署は、緊密に連携することが不可欠だが、規制庁の幹部は「別会社のような組織だ」と証言する。

 審査会合でも規制委の担当者が「昔からプラントと土木の仲が悪いといわれている。今回だけの問題ではない。一体どうなっているのか」とまくし立てた。

 実は福島第1原発事故でも、東電の情報共有の問題は指摘されている。

 東電は平成20年に15・7メートルの津波を社内で試算しながらも対策を講じず、事故を防げなかった一因とされている。これについて、政府の事故調査・検証委員会は、15・7メートルの津波について社内でワーキンググループが立ち上がったが、「当時の小森明生原子力・立地副本部長(原子力担当)にはワーキンググループの存在自体が報告されていない」と指摘。その上で「東京電力社内で重要な問題として認識されていた形跡はうかがわれない」と問題視している。

原発再稼働に影響する可能性も

 原発の審査では、設備面だけでなく原発を運転する事業者としての適正もみている。それだけに規制委の田中俊一委員長も東電の体質について「かなり重症だ」とあきれた様子で語り、「東電の(審査に)出すものが信用できるか疑義がある。それを確認しないとそれ以上先に進めない」と明言。東電の体質改善が確認できない限り、審査には「合格」させない意向を示している。

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