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【維新150年 高知編(2)】鏡川(高知市)浮かぶ悪童の残像

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【維新150年 高知編(2)】
鏡川(高知市)浮かぶ悪童の残像

天神大橋から眺めた鏡川。江戸末期、板垣退助や後藤象二郎、坂本龍馬らの遊び場だった 天神大橋から眺めた鏡川。江戸末期、板垣退助や後藤象二郎、坂本龍馬らの遊び場だった

 吹きつける雨のために、茶褐色に濁った鏡川の川面はうねるように流れていた。天神大橋から眺めたが、対岸の筆(ひつ)山(ざん)の稜(りょう)線(せん)は灰褐色の大気に溶けこみ、かすんでいた。藩主・山内家の代々の墓所があり、高知の市街地も見おろせるというので、登ってみようかと思ったが、雨がきつくなったのでやめた。

 母方の実家が左岸沿いにあった作家・安岡章太郎はあたりの風景を、中編『鏡川』のなかで、「眼の下一面、桑畑が青い葉を繁らせてひろがっており、その向うに鏡川の流れが桑の葉ごしにチカチカと光って見え」た、と書いている。一幅の絵のような眺めだったのであろうが、眼前の眺めからは想像することもできない。

 江戸期、鏡川の河川敷は子供たちの遊び場だった。水泳や相撲などに興じた。天神橋のあたりは、もっぱら「上(じょう)士(し)」の子供たちの遊び場で、坂本龍馬ら「下(か)士(し)」や町人の子供たちは上流の月の瀬橋あたりで遊んだらしい。

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