産経ニュース

【産経抄】江戸時代は鎖国にあらず 2月17日

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【産経抄】
江戸時代は鎖国にあらず 2月17日

 徳川幕府の5代将軍綱吉の前で、自作の恋の歌とダンスを披露した外国人がいた。博物学者のケンペルである。同じドイツ人のシーボルトより130年も前の元禄3(1690)年に来日し、2年間滞在した。

 ▼偏見のない日本研究の成果は、死後10年たって出版される。日本人の礼儀正しさや富士山の美しさをたたえる文章は、欧米の知識人の日本観に大きな影響を与えた。幕末のペリー提督や現在のエリザベス英女王も来日前に、目を通していたという。

 ▼実は、「鎖国」という言葉の誕生にもかかわっている。ケンペルは、日本の安全と平和を維持するために、国を閉ざしたのは賢明だった、と評価していた。蘭学者の志筑忠雄(しづきただお)が「鎖国論」と題して翻訳し、広がった。

 ▼もっとも明治時代になると、欧米諸国に比べて近代化が遅れた原因として、否定的な意味で使われるようになる。どちらにしても、長らく江戸時代を特徴づける言葉として定着してきた。

続きを読む

「ライフ」のランキング